観葉植物はライトでも育つ?
そもそも観葉植物は室内ライトでも育てられるのでしょうか?日中は出かけていて部屋は締め切りなので、観葉植物を育てたくても日が当たらない環境では観葉植物の育成に躊躇しがちですよね。まずは、植物が成長するためのしくみと植物育成ライトについて見ていきましょう。
植物が成長するしくみ
観葉植物が成長するためには何が必要でしょうか?植物は基本的に「光合成」によってブドウ糖を作り、それをエネルギー源として成長します。また、土の中から窒素などを取り込んでアミノ酸やタンパク質、脂肪やビタミンなどの栄養素を自分で作り出すことができるのです。光合成に必要なものは、太陽の光と空気中の二酸化炭素と根から吸い上げた水です。これらの光と二酸化炭素と水を使って葉の葉緑体というところで必要な栄養素を作り出しています。やはり、観葉植物が成長するには「光」が不可欠ですね。
植物育成ライトとは?
観葉植物を栽培するためには光が必要ですが、栽培するための光とは太陽の光でなければいけないのでしょうか?実は、室内で観葉植物を栽培するための照明として「植物育成ライト」を使用する方法がありますよ。植物育成ライトとは、太陽の代わりに植物に光合成を与えるライトです。植物育成ライトには様々な種類があります。成長期用、開花用など用途に合わせたライトや電球タイプ、LEDタイプ、蛍光灯タイプなどそれぞれに利点がありますが、植物の光合成に最も効果的な波長の赤(植物の光合成に有効)や青(植物の葉や茎の形成に有効)の電球を使用したオールマイティーなタイプが人気ですよ。また植物育成ライトの中には、光合成に適した光を効率良くスポット的に当ててくれるライトもあるので電気代にも優しいですね。手軽なスタンド型からスポットライトなどお部屋に合わせて選ぶことができますよ。
【徹底比較】照明用のライトでも観葉植物は育成しても大丈夫?
観葉植物の栽培には植物育成ライトを利用する方法がありますが、照明用のライトでも観葉植物を育成することはできるのでしょうか?植物育成ライトでは観葉植物を栽培することに適していることはもちろんですが、実際のお部屋で赤や青の光を照らし続けることはインテリアとして不向きですよね。そこで、照明用のライトの種類別にLEDライト、ハロゲンライト、蛍光灯の3種類の電球で観葉植物の育成が可能かどうかを徹底比較します。
LEDライトの場合
まずは「LEDライト」から見ていきましょう。今では照明用のライトにLEDを使っている方も多いと思います。LEDライトで10000lx(ルクス=照度の単位)の光を1日9時間当てて2ヶ月間の観葉植物の状態を確認したところ、成長が緩やかでバランス良く成長しました。緩やかに成長したため、植物が徒長(植物の枝や茎が間延びすること)することもなく、色も鮮やかに保てました。メンテナンスのことなどを考えると観葉植物が元気かつ伸びすぎない方が嬉しいですよね。水耕栽培で野菜を作っている企業の多くでもLEDライトを取り入れています。LEDライトでも観葉植物は育成できました。しかし、基本的にLEDライトは照射できる範囲が狭く、ワット数も低いので比較的植物に近づけて使う必要があります。
ハロゲンライトの場合
LEDライトでも観葉植物が育成できることはわかりましたが「ハロゲンライト」では観葉植物は育成できるでしょうか?LEDライトと同様に10000lxの光を1日9時間当てたところ、開始後まもなく衰弱し緑の色も薄くなり張りもなくなりました。10000lxのライトでは熱すぎるのでしょうか?そこで、ハロゲンライトの狭角電球と広角電球を比べてみると、狭角電球は実験開始後まもなく元気がなくなりましたが、広角電球では比較的よく育ちました。狭角電球の方が広角電球よりも照射面の温度が5度以上高いことから、観葉植物は熱が苦手なことがわかりますね。ハロゲンライトでも観葉植物を育成することができましたが、熱が伝わりすぎないように注意が必要ですね。
蛍光灯の場合
ハロゲンライトでも観葉植物は育成できますが、LEDライトの方がバランス良く成長しました。では「蛍光灯」で観葉植物が育成できるでしょうか?蛍光灯の照度はLEDライトやハロゲンライトよりも弱いので、同じ条件では確認できませんが、100lxの光を当てて状態を確認しました。これまでの2つのライトに比べ成長は早いですが、徒長して全体的に横に広がっていきました。植物は日光が足りないと光を求めて徒長する性質をあるので、蛍光灯では照度が足りないようですね。蛍光灯でも観葉植物を育成することができましたが、蛍光灯だけでは光が足りないので数時間でも日光の当たる場所で栽培すればお互いに足りない光を補えますね。
おすすめの室内ライトはLEDライト!
室内ライトの徹底比較の結果、3つの室内ライトの中では「LEDライト」が観葉植物の育成にはおすすめです。観葉植物は基本的に光の方向に伸びていきますが、薄暗い環境で栽培する観葉植物は暗い中で光を探して光の方向へもやし状に伸びてしまします。薄暗い環境でも美しい状態を保つためにはライトによる光が必要ですね。そのためには最低1000〜3000lxが必要ですが、LEDライトなら大光量を少ないエネルギーで実現できますし、グリーンも映えていきいき見せてくれます。そして、強い熱を持たないので植物に負担をかけません。また、何と言ってもLEDライトなら電気代が抑えられますね。
ライトを使って育成できる耐陰性の観葉植物10選
室内ライトを使って観葉植物を育成できることがわかりましたが、どんな観葉植物が向いているのでしょうか?ここでは、主に暗い環境にも強い耐陰性のある観葉植物を10選ご紹介します。元々耐陰性がある観葉植物ばかりなので、蛍光灯の光でも十分に補える植物もありますよ。上手にライトを活用して栽培できるといいですね。
モンステラ
大きな葉に独特の切れ目が入ったエキゾチックなモンステラは、インテリアグリーンとしてとても人気がある観葉植物です。モンステラは熱帯地域原産の多くの木々が多い茂る中で育つ植物なので、耐陰性があり室内で育てやすい観葉植物ですよ。直射日光を嫌い、明るい日陰を好みます。暗い場所でも育ちますが、徒長してしまうのでライトを使って光を補ってあげると綺麗な形状で育てられますね。丈夫で育てやすいのでライトを使って育成できる観葉植物としておすすめです。
テーブルヤシ
テーブルヤシは初心者にもおすすめの観葉植物です。南国のイメージが強いテーブルヤシは、一見日当たりを好みそうですが実は耐陰性があり、薄暗い場所でもよく育ちます。置き場所を選ばないサイズや丈夫で育てやすいのでインテリアグリーンとしておすすめです。蛍光灯の明かりでも十分に明るければ育成ができますよ。
パキラ
すっきりとした幹とボリュームのある葉が魅力のパキラは、ギフトとしても自宅鑑賞用としても大変人気ある観葉植物です。明るいところを好みますが、耐陰性もあるので薄暗い室内でもライトを活用して育成できますよ。乾燥や暑さにも強いので、初心者にも育てやすくインテリアグリーンとしておすすめです。
ユッカ
シャープなグリーンの葉と太い幹がすっきりとスタイリッシュな印象のユッカは、男性にも人気のある観葉植物です。寒さと乾燥にとても強く、丈夫で育てやすいことからオフィスや飲食店などでもよく使われています。また、日光を好みますが、耐陰性もあるので室内でもよく育ちます。しかし、光が足りないと株が弱くなるのでライトを使って光を当ててあげれば比較的場所を選ばずに育成できますよ。
シェフレラ
シェフレラはカポックの名でよく出回っていますが、非常に丈夫な観葉植物です。0℃までの寒さに耐え、乾燥にも強いので長年インテリアグリーンとして不動の人気があります。中でも斑(葉に入る模様)がないホンコンカポックは特に耐陰性があり丈夫です。ただし、長期間日が当たらないと葉が落ちてきますので、状態を見て2〜3日に一度は日光を当ててあげるか、ライトを上手く活用して育成しましょうね。
ドラセナ マッサンゲアーナ

幹と葉のバランスが絶妙です
ドラセナマッサンゲアーナは幸福の木と呼ばれ縁起の良い観葉植物として贈り物にも喜ばれています。太い幹と柔らかな葉が美しくインテリアグリーンとしても人気があります。日光が強すぎると葉焼けを起こすので、室内のライトで明るくした日陰で育てると綺麗に保てますよ。丈夫で育てやすいですが、寒さには弱いので暖かい場所で育成しましょうね。
ポトス
ポトスは誰もが知っているポピュラーな観葉植物の1つですが、インテリアグリーンとして様々な飾り方がありとても人気があります。つる性なので高いところから垂らしたり吊るしたり絡ませたりできるので置き場所のイメージも膨らみますね。また、とても丈夫で育てやすいので初心者にもおすすめです。耐陰性もあるので薄暗い場所でも育成できますが、日が足りないと葉の色が悪くなったり斑がなくなったりするので暗い場所ではライトを活用すると良いですね。ポトスの中でも「パーフェクトグリーン」は斑がない鮮やかなグリーンの葉を持ち、特に耐陰性がありますよ。
アンスリューム

鮮やかな赤とグリーンのコントラストが美しいですね
アンスリュームは、光沢のあるツヤツヤの花と葉が美しい観葉植物です。花や葉の形がハートのようで女性にも人気があります。飾り方次第でトロピカルにもアジアンにも馴染みますし、他の観葉植物にはない鮮やかな花色が魅力的でインテリアグリーンにおすすめです。また、花色は赤だけでなく白やピンク、グリーンなどもありますよ。強い日差しに弱いので室内の明るい日陰で育成できます。暗い場所でもライトを使って明るさを補えば十分栽培できますよ。
ゴムの木
とにかく丈夫で育てやすい観葉植物といえばゴムの木です。ゴムの木はインテリアグリーンとして人気の高いベンジャミンやウンベラータ、ガジュマルなどと同じフィクス属ですがその中でも特に強い観葉植物です。耐陰性はもちろん、寒さや乾燥にも強くどんな場所にも順応するので置き場所を選びませんが、長い間日に当たらないと元気が無くなってしまうので定期的に日光に当ててあげるか、ライトを使って光を補ってくださいね。種類も豊富で植物を育てるのが苦手な方にもおすすめですよ。
シュロチク
シュロチクは昔からとても人気がある観葉植物です。竹のような姿にヤシのような涼やかな葉が美しく和室などにもよく合います。丈夫で寒さにも強く耐陰性もあるので育てやすいですが、強い日差しや冷たい風が当たると葉が傷みやすいので半日陰や明るい室内に置いてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?室内ライトでも観葉植物は育てられるのです。特におすすめのライトは大光量を少ないエネルギーで実現できる「LEDライト」でした。暗い環境でもよく育つ観葉植物も多くありますが、やはり長い間光が当たらないと状態が悪くなってしまいます。そこでライトを使って光を補うことも方法の1つですね。また、ライトを使う際の注意点は、実際の日照時間と同じ状況にすることです。ただ単に一日中光を当てていれば良いというものではありませんよ。日照時間の管理が難しい場合には、24時間プログラムタイマーなど、ライトのスイッチを管理してくれるタイマーもあるので活用してみてはいかがですか?
おしゃれな鉢カバー紹介

観葉植物を一段とおしゃれに飾るため、鉢カバーに入れてみてはいかがでしょうか?観葉植物の鉢がむき出しだとせっかくの雰囲気が台無しです。素敵なインテリアにするため鉢カバーに入れてみましょう。