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多肉植物の植え替えと水やりの前に

乾燥に強くて水やりをあまり必要としない多肉植物の、基本的なことを押さえておきましょう。

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多肉植物は乾燥に強く、体内に貯水組織がある為水やりもあまり必要としないことから、人気の栽培品種です。病害虫に強く、肥料が少なくても育つので育て方が簡単です。また、マグカップなど底穴のない容器でも育てられ、卓上で寄せ植えを楽しむ方もいます。植え替えや水やりの方法を知る前に、まず多肉植物の基本情報を確認しましょう。

そもそも多肉植物とは?

多肉植物とは、茎や葉に水を貯えられる植物のことです。葉や茎に貯水組織があるため、多肉植物は水やりをあまりしなくてもよいのです。性質上サボテンは多肉植物ですが、園芸ではサボテンを独立した品種として扱っているため、この記事ではサボテン以外を多肉植物と考えます。多肉植物は、葉挿しなどで簡単に増やせることから交配種が多く、2万以上の品種が存在します。原産地はアフリカ南部、大西洋やインド洋の島々、アメリカ大陸と多岐にわたります。共通している生息地は、普段は乾燥しているけれど水を貯められる雨期がある場所です。

多肉植物は生長期によって3種類に分類できます。アロエやクラッスラは、春から秋に生長する夏型種です。一方、リトープスなど秋から冬に生長する冬型種の多肉植物もあります。さらに、春と秋に生長する春秋型種は、エケベリアなどがあります。また、アエオニウムのように冬型種と春秋型種が混在する品種もあります。生長タイプによって、植え替えの時期や水やりの仕方が変わります。多肉植物を購入する際は商品説明を見て、生長タイプを確認しておきましょう。

なぜ植え替えが必要なの?

適切な水やりをしても多肉植物の調子が悪い時は、1~3年に1回新しい用土に植え替えすることで、順調に育ちます。

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多肉植物を鉢植えで育てていると、だんだん用土の質が低下していきます。用土の質が低下すると水はけが悪くなり、適切な水やりをしていても根腐れを起こす場合があります。また、土の中の栄養素が減り、あまり生長しなくなるかもしれません。他にも、根が張ることで根詰まりを起こし弱る可能性があります。したがって、多肉植物を順調に成長させるためには、植え替えが必要なのです。新しい用土に植え替えることで、多肉植物は水分と栄養を吸収しやすくなります。

植え替えをするタイミングは?

多肉植物が鉢いっぱいに生長しているか、鉢底から根が出てきたら、植え替えしましょう。さらに生長するために、よりたくさんの土が必要になるからです。鉢底から根が見えている場合は根詰まりを起こしている可能性もあるので、早めの植え替えが必要です。また、下葉が落ち、落ちた葉から根が出て新しい株になりそうな時も植え替えのタイミングです。他にも、2年以上植え替えしていなかったり、水やりのしすぎでもないのに外側の葉が枯れたりしたら、用土が劣化しているかもしれません。新しい用土に植え替えましょう。いろいろな品種の多肉植物を寄せ植えしている場合、生長タイプが違うと水やりなどの育て方が異なりますから、植え替えが必要です。

植え替えに適した時期は?

多肉植物が弱る可能性もあるので、生長し始める元気な時に植え替えしましょう。

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多肉植物の品種によって、植え替えに適した時期は異なります。夏型種の多肉植物は、3~5月の暖かくなってきた頃がおすすめです。冬型種は9~10月の寒くなる前に植え替えしましょう。春秋型種は3~5月と9~10月のどちらも植え替えできますが、できるなら3~5月にしてください。生長期に入り始めた頃に植え替えることで、株が植え替えの時にダメージを受けても回復しやすくなります。したがって、休眠状態になりやすい梅雨や真夏、真冬は多肉植物が枯れる可能性があるので植え替えを避けましょう。では、多肉植物の植え替えと水やりのポイントを詳しく見ていきましょう。

多肉植物の植え替え方と水やりのポイントはこちら!

多肉植物の植え替えと水やりの方法を知り、元気な状態を保ちましょう。

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多肉植物を植え替える理由や時期について、ご確認いただけましたか?では、どのように植え替えしたら良いのかご説明しますね。また、植え替えた後の水やりについてもお伝えします。

用意するものは?

多肉植物を植え替えするために、以下のものをご用意ください。

  • 株より一回り大きな鉢
  • 軽石などの鉢底石
  • 鉢底ネット
  • 新しい用土(多肉植物用の土が市販されています。手作りするなら、小粒の赤玉土3:小粒の鹿沼土3:腐葉土4で配合しましょう。)
  • 清潔なハサミ(熱湯消毒か、あらかじめ火であぶっておきましょう。根に雑菌が入るのを防ぐためです。)
  • 割りばし(用土を根になじませるのに使います。)

いよいよ植え替えに挑戦!

多肉植物がなるべくストレスを感じないように、植え替えや水やりのコツを知っておきましょう。

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多肉植物は以下の手順で植え替えます。

1. 鉢から多肉植物を丁寧に取り出す。
根がなるべく崩れないよう気を付けましょう。

2. 古い土を丁寧に落とし、傷んだ根や伸びすぎた根があればカットする。
黒ずんでいる根は傷んでいる可能性があります。黒ずんだ根を見つけたら切り取りましょう。

3. 根が濡れていたら、風通しの良い半日陰の場所で2~3日、根を乾燥させる。
植え替えをする1週間前から水やりを控えると、根が乾燥しやすくなります。根を乾燥させるのは、植え替えた後に根腐れするのを防ぐためです。

多肉植物を鉢に植え替える際のポイントは、水やりの時に水があふれないように鉢いっぱいに用土を入れないことです。

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4. 鉢に底穴ネットを敷き、軽石を入れる。
底穴ネットを敷くことで土漏れを防ぎます。軽石を入れることで、水やりの時に水はけが良くなります。軽石以外に、大きい粒の赤玉土をゴロ石として入れることができます。

5. 新しい用土を鉢の3分の1程入れ、多肉植物を置く。
多肉植物を置く前に、肥料を少し入れることもできます。

6. さらに用土を足し、割りばしで軽く土を刺し、根に土をなじませる。
鉢の縁の辺りの土を刺すと良いと言われています。割りばしを使わずに鉢を軽く床に落として、土をなじませる方法もあります。多肉植物に土をなじませた結果、用土が減りすぎたら足しましょう。

寄せ植えの場合の植え替え方は?

いくつかの品種を寄せ植えした多肉植物も大変人気があります。品種が多い多肉植物は様々な楽しみ方ができますね。寄せ植えの多肉植物は、植え替えることで仕立て直すことができます。まず、植え替える前に水やりを止めて多肉植物を乾燥させた後、鉢から株を優しく抜き取ります。次に根を丁寧にほぐし、品種ごとに株をばらします。古い土や傷んだ根は取り除きましょう。また、伸びすぎた茎があれば先端から1~2節分カットします。カットした茎は挿し木にして、多肉植物を増やすことができますよ。寄せ植えに使われていた株は根腐れ防止のため1日乾燥させます。乾燥させたら、通常の植え替えと同じように新しい用土に植えます。肥料を少し入れても構いませんが、寄せ植えは生長しすぎるとバランスが悪くなってしまうので、多肉植物の場合、肥料を入れないほうが寄せ植えを長く楽しめます。

ハイドロカルチャーの植え替え方法は?

ハイドロカルチャーで多肉植物を育てる場合は通常より少なめに水やりし、1年に1回植え替えをしましょう。

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ハイドロカルチャーで多肉植物を育てている場合、根腐れ防止剤やイオン交換樹脂の効力が1年間ですので、毎年植え替えをしましょう。まず、植え替えに使うハイドロボールを洗っておきます。ハイドロボールは洗って乾燥させれば、何度でも使うことができます。ただし、日光に当ててしまうとハイドロボールは劣化するので気を付けましょう。他の植え替えと同じように根を傷めないよう気を付けて、容器から株を取り出します。根に絡まりついたハイドロボールは無理に取る必要はありません。伸びすぎた根や傷んだ根があれば切り取り、一回り大きな容器に移し替えます。容器にはあらかじめ根腐れ防止剤やイオン交換樹脂剤とハイドロボールを少し入れておきましょう。通常の植え替えとは異なり、肥料は根がなじむまで入れません。株を入れたら、ハイドロボールをさらに足して固定します。

土からハイドロカルチャーへ植え替える時は?

土で育てている多肉植物をハイドロカルチャーに植え替える時は、水栽培用の根を出させる必要があります。したがって、多肉植物をそのまま植え替えることはできません。親株の茎を剪定するか葉を優しく触って取りましょう。茎や葉は乾燥させると根が出ます。根が出たら、霧吹きで少し水やりします。使う容器にもよりますが、根が1センチ程伸びたら植え替えましょう。あらかじめ根腐れ防止剤やイオン交換樹脂、少量のハイドロボールを入れた容器に新しい株を置き、ハイドロボールを足して固定します。肥料はハイドロボールに多肉植物が根付いたのを確認してから入れます。

植え替え後の水やりは?

植え替え直後に、多肉植物へ水やりをするのはNGです。

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植え替え後にすぐ水やりをすると、植え替えによってダメージを受けた多肉植物にさらに負担をかけることになります。したがって、植え替え後は1週間ほど水やりを控えてください。1週間たったら1度たっぷり水やりし、また1週間水やりを止めます。そして、再度たっぷり水やりし、後は通常の育て方をします。ただし、ハイドロカルチャーに植え替えた場合の水やりの方法は異なります。多肉植物は蒸れに弱く、ハイドロカルチャーで通常の植え替えと同じ水やりをすると根腐れするかもしれません。したがって、ハイドロカルチャーに植え替えた場合は水やりをたっぷりするのではなく、霧吹きでハイドロボールを湿らせるだけにしておきましょう。保水力の高い人工培土の場合は、通常の水やりもハイドロボールを軽く湿らせる方法で十分ですよ。では、多肉植物の通常の育て方や水やりも確認しておきましょう。

多肉植物の植え替え以外の育て方と水やりのポイント!

多肉植物の植え替えと水やりの方法を確認したら、普段の育て方や水やりのポイントも押さえましょう。

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多肉植物の植え替え方法と水やりのポイントはご理解いただけましたか?多肉植物になるべく負担をかけないで植え替え、また水やりを控えることで、長くお世話を楽しめますよ。普段の育て方はどのような点に気を付ければよいのでしょうか。通常の育て方や水やりのポイントも知っておきましょう。

水やりの頻度は季節ごとで変えよう

多肉植物は、生長期は水やりが必要ですが、休眠期は水やりを控えめにしましょう。多肉植物は、乾燥した地域や高山地帯で自生しています。水の少ない過酷な環境でも育つことのできる植物です。したがって、春と秋は土の表面が乾いてから2~3日後に水やりをしましょう。葉が少し萎れている時が水やりのベストタイミングです。真夏の高温や冬の寒さを苦手とするので、夏場や冬場は休眠させると良いですよ。ただし、生育タイプによっては水やりを必要とします。夏型の品種は夏場も月に3回程度水やりをしましょう。冬型の品種は冬に同じく月3回程水やりをしてください。1回の水やりの量は鉢から水が流れるくらいが適量です。底穴がない容器で栽培しているなら、水やりをした後、容器を傾けて余分な水は捨てましょう。また、株に水がかかると弱ってしまう可能性があるので、株をよけて水やりしてください。

日当たりと通気性の良い場所で育てよう

程よく日当たりがあり、通気性の良い場所に置くなら、多肉植物は元気に育ちますよ。

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多肉植物は日当たりの良い場所で育てましょう。ただし、冬型種の品種は日が当たる時間が短い場所に置いてください。どの生育タイプも真夏の日差しは、葉焼けしたり土の温度を上昇させ根が弱ったりするので避けます。また、多肉植物は蒸れに弱いため、通気性の良い場所に置いてください。水やりをした後は、換気をしても良いですね。通気性の良い窓辺やベランダでも育てられますが、雨水がかからないように気を付けましょう。

春と秋に肥料を与えると元気に育つ

多肉植物は、用土と適切な水やりできちんと育ちます。しかし元気な状態に保ちたいなら、肥料を与えましょう。生長期の春と秋に月1~2回のペースであげることができます。1,000~2,000倍に薄めた液体肥料を少量与えてください。目安は10センチほどの株で小さじ0.5杯です。植え替えの際に、新しい用土に緩効性肥料を少量混ぜておくだけでも十分です。肥料を与える時期や量を間違えると、肥料焼けという症状を起こします。土の中の栄養分が多くなりすぎ、根の水分が減って弱る状況です。肥料焼けが気になるようでしたら、規定量より少なめに与えましょう。

徒長した時には育て方を変えるか植え替えしよう

葉と葉の間に茎が見えたら、徒長している可能性があります。

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多肉植物が徒長と呼ばれる間延びした生長をしたら、育て方を見直しましょう。日光を求めるように高く伸びている場合は日照不足です。したがって、置き場所を変えるか定期的に日光浴をさせてください。葉は膨らんでいるのに茎はヒョロヒョロしている場合は水やりをしすぎている可能性があります。水やりを控えて様子を見ましょう。茎だけが伸びる場合は栄養不足が考えられます。新しい用土に植え替えしましょう。伸びすぎた多肉植物は、見栄えの良い茎を切り取って新しく植え替えることもできます。切り取った茎は切り口を乾燥させてから、植え替えてくださいね。元の株も枯れた葉を取り除き、下葉を3枚程度残して通常の育て方や水やりをすれば脇芽を生やす可能性があります。

挿し木・葉挿し・株分けで多肉植物を増やそう

多肉植物を増やす方法は挿し木、葉挿し、株分けがあります。生長期の始まる少し前に増やしましょう。夏型種は3~5月、冬型種は9~11月、春秋型種は2~4月か9~10月がおすすめです。

  • 挿し木の場合

伸びすぎてカットした茎を挿し木に使うことができます。土に挿す部分についた葉は取り除き、ビンに挿して1週間、日陰で切り口を乾かします。根が出てくるまで水やりはしません。根が出たら、新しい鉢に植えてください。植え替えの時と同様に落ち着くまで水やりは控えましょう。挿し木は熊童子のような葉の大きな多肉植物が向いています。

熊の手のような葉の熊童子は、葉が大きいので挿し木がおすすめです。

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  • 葉挿しの場合

手で触ってぽろっと取れた葉を使います。乾いた土の上に葉を置き、根が出るまで水やりはしません。根と茎が出てきたら霧吹きで水を少しずつ与えましょう。数ヶ月で元の葉がだんだん枯れ、新しい株が出てくるので、出てきた株を植えます。葉挿しの植え替え直後も水やりは1週間待ちましょう。初恋や白牡丹の品種は葉挿しに向いています。

根が出てきたら、霧吹きで少しずつ水やりしましょう。

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  • 株分けの場合

茎から子株ができていたら株分けで増やすことができます。ハオルチアなどの品種は子株ができやすいので株分けが適しています。土に挿す部分の葉は落として親株と子株を切り離します。挿し木と同じように切り口を乾燥させましょう。根が出たら、土に植えます。植えた直後は1週間ほど水やりはしません。子株が落ち着いたら通常の育て方や水やりをしましょう。

葉がしわしわ・ぶよぶよになったら育て方を見直そう

乾燥には強いのですが、多肉植物は枯れることがあります。葉がしわしわになり枯れ始めたら水やり不足の合図です。しわしわになる前に水やりをしましょう。ただし、直射日光が原因でしわしわになることもあります。特に真夏は、日当たりの強すぎない場所に移してください。葉がぶよぶよになり黄色くなったら、水やりのしすぎ、土が蒸れている、日照不足が考えられます。土の表面が乾き葉が少し萎れてから水やりをしているかどうか、再度確認してください。風通しの悪い場所に置いている場合は水はけのよい土に植え替えるか、置き場所を変えましょう。通気性を良くすることで蒸れは防げます。水やりの方法や風通しに問題がない時は日照不足が原因です。強い日差しに当てないよう気を付けながら、時々日光浴をさせましょう。

まとめ

多肉植物を新しい用土が入った一回り大きな鉢に植え替え、水やりなどお世話を楽しみましょう。

出典: http://yaplog.jp
多肉植物の植え替えと水やりのポイントをご理解いただけたでしょうか。植え替える時は水やりを止め根を乾燥させてから、植えましょう。植え替え直後も水やりを控えてくださいね。普段の水やりも土の表面が乾燥して葉が少し萎れてから行いましょう。置き場所や肥料、トラブル対処法もお伝えしました。ご自分の多肉植物に合った育て方のヒントになれば幸いです。多肉植物のように乾燥に強い観葉植物もありますよ。おしゃれな観葉植物や多肉植物など、いろいろなグリーンに囲まれた生活を楽しみましょう。
観葉植物ならひとはな

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